馬の顔はなぜ長いのか
実は、かつての馬は顔が長くありませんでした。
およそ5000万年前の北アメリカやアジア、ヨーロッパに生息していた「ヒラコテリウム」という馬の先祖は、オオカミくらいの大きさの草食動物で、木の葉を主食とし、木の葉をすりつぶすために石臼のような歯を持っていました。
今から2500万年前、草原が発達し、馬たちも森林から出て、草原で暮らすようになりました。
ですが、草原の草はイネ科の植物で、木の葉よりもセルロースが硬く、消化しにくかったんです。
そこで、馬たちは大きくてすり減りにくい臼歯を発達させなければいけなくなりました。
丈夫なエナメル質で保護された、一本一本が太くて長い臼歯をあごの骨の上にのせる必要があったため、あごは次第に長く頑丈になっていき、馬は現在のような長い顔になりました。